「新年のご挨拶 (おせち料理は・・)」2004/01/10

新年明けましておめでとうございます。
昨年は多くの方々ご来店いただきありがとうございます。
また、おせち料理は皆様に喜んでいただき、嬉しく思いました。
本年も、「日本料理あずまそ」と「KAZUMA」を宜しくお願いします。

早いもので僕が修行を終えて実家を継いで9ヶ月がすぎました。
その9ヶ月の間で少しの自信がもてました。
そして、おせち料理を経験してまた少しだけ自信が増えました。

なぜ、おせち料理をして自信がついたのかと言えば、それだけおせち料理は大変なものです。
皆さんはおせち料理がどのくらい大変なものか(僕だけかもしれませんが)知っていますか?
「そんなの知っているわよ」とか「仕事なんだからあたりまえでしょ」なんて言わないで聞いてください。(あのー、一応「KAZUMAが語る」なので、少しは語りたいっす。)

「日本料理あずまそ」の場合は、品数にして2003年は約35品(HPの写真以外の物を入れたため)程度でそのうち2品以外は作ります。その2品にしても、特別に取り寄せます。(おせち料理の時だけ取引します。)後の約33品は全て作ります。

仕入れは、早い物は11月の初めには予約をいれます。
良い材料はどこの料理屋さんでも欲しいので早めに予約しないと良い品物が手に入りません。
仕入れでなくて、もっと早くに準備する物があります。それは栗金団の栗です。地元の藤枝産の栗を使いたいので9月には自分で仕入れに行き、鬼皮、渋皮をむき蜜煮にして瓶詰めにしておきます。市販の栗の瓶詰めだと外国のものが多く出回っていてたりしますし、僕は出来る限り手作りにこだわり、手間隙をかけたいので、自分で作ります。

ではこれらは、いつから仕込むと思いますか?
ほとんどの物は12月27日の営業が終わってからやり始めます。(28日まで通常営業しています。今回は予約を頂いたので29日まで)その前から仕込み始めるのは、いくつかあります。
黒豆などは仕上がるまでに5日ほどかかりますし、勝ち栗やみがき鰊なども同じぐらい日数がかかります。

あずまそでは、おせち料理を31日の朝からお重に詰めて31日の内にお渡しするようにしているので、それに合わせて仕上げます。30品以上あるので、ひとつづつ仕上げるのですが、その仕上げるのにも順番があります。
最初は日持ちの悪い物から仕上げます。そしてだんだん日持ちのよいものを仕上げていきます。といっても、防腐剤などの薬品は一切使わないで、味付けや調理法で日持ちするように仕上げます。
それなので、本当にぎりぎりで作ります。
そのためには、睡眠時間を削ります。仕事は夜中のほうが電話は鳴らないし、誰も来ないので仕込が早く進みます。(と言うより、寝ないで仕込まないと間に合わなくて‥‥27日〜30日の4日間での睡眠が8時間くらいでした。30日は寝る間がなく徹夜に‥‥)
そして、31日の盛り付けになります。

ここまで来ると、テンションが一気に上がります。
(仕込みの段階では、「まだ終わらないよー 間に合うのかなー」と心配ばかりだったのが、お重をひとつ盛り終わるたびに、僕が作ったおせち料理に自分自身で感動して、嬉しくて嬉しくて)そして、全てのお重を詰めて、お渡しして終わります。

でも、本当はお渡しして終わりではないのです。
おせち料理は日持ちを目的とした料理です。
お客さんに持ち帰ってもらい、食べた時に美味しく食べれてこそ意味のある料理です。
そこが本当の意味での終わりの様な気がします。

こういった感じで作っています。
それは、普段の営業でも同じです。
手間と気合と愛情をかけ、料理します。

今年も精一杯頑張りますので、宜しくお願いします。