「現役」 2004.11.11

僕はスポーツを見るのもするのも大好きだ。
最近は見るのが主になっているが・・・。

スポーツ選手の現役は何年ぐらいだろう。他の職業に比べると極端に短い。
それに比べると、料理人などの職人系の仕事は生涯現役が出来る。
まぁ 比べる方が変だけど・・・

スポーツ選手は試合で活躍出来なくなれば引退しなければならない。
それは目に見えて分かるものだ。野球なら打者が打てなくなったり、投手が打たれたり・・・。数字で見えてくる。
でも、料理人の場合は分かりにくい。
美味しさは数字では表せないから。

料理は感覚と感性と経験で作る。目分量で行う事が殆どだ。
経験による感で作っていると言ったほうが正しいかもしれない。

人間の感覚は60歳位をさかいに衰えていくらしい。
だから現役の第一線で腕を振るうのは60歳位ににしたい思う。

「お惣菜NO2」 2004.11.04

修行を終えて帰ってきてからお惣菜を作っていなかったが、久しぶりに作りたくなり人参とかぼちゃのシチューを作った。
炊き合わせで人参を紅葉の型にしているので切れ端が沢山でる。
かぼちゃも切ると結構半端な部分が出てくる。
それらを使ってシチューにした。
本音を言うと「今美味しい物」に載せようかと思ったが、店で出す物ではないのでやめた。でも、美味しいし温まるしちょっと紹介したくてこっちに書いてしまった。
作り方は・・・・なかなか手間がかかる。
僕の作り方は(修行中と同じだが)
まずは鶏がらでスープをとる。そのスープに具を軽くいためてから入れて煮る。
人参とかぼちゃは柔らかくなるまで蒸す。
バターと小麦粉でベシャメルを練る。それから牛乳を加えてホワイトソースにする。
具が煮えたら、スープと人参とかぼちゃをミキサーに入れて滑らかになるまで回しホワイトソースに加え、残りスープや牛乳でスープの濃度を加減し具を加えて塩と胡椒で味付けする。

書くとこの程度だが実際は手間が掛かるだろう。
だが、このシチューは栄養満点だし、一人前あたり100円〜150円ほどで作れる。
忙しい人はスープは粉末を使ったり、ホワイトソースは市販のルーと使うと楽だろう。人参とかぼちゃは電子レンジで加熱すれば簡単だ。
これだと離乳食にもなるし、野菜の嫌いな子供でも食べてくれそうだし・・・

手間と時間がかかるから実際に作るのは大変だろうが、やり方しだいではどうにかなる事が多い。
入れる野菜は人参だけでもいいし、とうもろこしを入れてもいい。
何も入れなければクリームシチューになる。
ベシャメルに牛乳の変わりにカレー粉を加えてスープだけ混ぜていけばカレーになる。(カレーの場合は味付けが結構難しい)
ホワイトソースをあまり柔らかくしないで取っておけば、そこからグラタンやクリームコロッケなどにも使える。
ベシャメルやホワイトソースは冷凍に出来るので何回分かまとめて作れる。

今の日本人の平均寿命は80歳を超えているが、1980年以降に生まれた人たちの寿命は60歳位になると言っている人もいる。
それは科学調味料や防腐剤があらゆる食品に入っていて、それらが体に良くないとされていたり、日常生活での問題を多く抱えているかららしい。
現に小学生や中学生が成人病になったりしている。
健康ブームと言っている割に、食品に関して気にしていない事が多い気がする。
手間や時間がかからない代わりに、気がつかないところで何かが起きているのももう少し気にした方がいいかもしれない。

「お惣菜」 2004.11.02

よく言われるのは、「いつも良いもの食べてるでしょ」って言われる。
だがそんな事は無い。仕事で疲れると簡単なもので済ませることが多い。
僕は基本的にご飯を沢山食べるので、おかずは少なくても平気だし、好き嫌いも無い。ご飯に漬物、納豆、ポテトサラダ、晩御飯でこんな時もある。

先日久しぶりにお惣菜を作った。和幸での修行中はお惣菜係を一年半ほどしていた事がある。自分の持ち場をやりながらお惣菜を作っていたので必死だった。

女鳥羽そばにいたときは、お店と自宅が別だったので親方は自宅で食事をされていたので朝と夜は自分の分だけ作って食べていた。お昼はお蕎麦を毎日食べさせてもらっていたけど。
和幸にいた時はお店の2階が親方の住まいだったので、朝昼晩3食とも親方と兄弟弟子と一緒に食べた。
親方も僕たちと同じ物を食べてくれて、作りかたや味付けについて毎回評価してくれた。その時もお惣菜なので作った物は普通だった。
何を作ったかと言えば、朝はご飯と味噌汁は必ず食べる。
で、おかずは目玉焼きと野菜のお浸しとか、納豆と昆布の佃煮とかそんなかんじで、昼はお客さんに使えない野菜が沢山あれば野菜炒め、ご飯が沢山あまっていればチャーハン、だし汁が余っていればうどん、夜は筑前炊き、肉じゃがカレーといった感じだった。
ただそれらは全て、自分たちで作った。手間は一切省く事は無かった。
それが下っ端でお惣菜を作る物にとって、包丁を上手く使いこなしたり、美味しく作るための練習だった。
お惣菜を美味しく作れない者は料理も美味しく作れないからだ。
それにお惣菜を毎日考えるのは大変なことで、献立をたてる練習にもなる。
僕はお惣菜を作っている時に悩んで、毎日何を食べたかノートに簡単に書き残したりもした。それも今となってはいい思い出として残っている。